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よくある質問とお答え
ご相談にお答えします 質問の内容については、本人の特定がなされないよう、
性別や年齢、職業などに加工を加えております。
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ご質問
 アルコール依存症の治療について質問があります。アルコール依存症の治療ではお薬を使った治療もあると聞いたことがあります。
どのような効果のあるお薬を使うのでしょうか。
お答えします
 ご質問ありがとうございます。アルコール依存症では、まずは医療機関を受診しきちんとした診断を受け、依存症の知識や断酒のための正しい方法を専門家と相談しながら得ていくことが基本になります。
それに加えて、患者さんの状態に応じてお薬を使った治療を行う場合があります。日本で承認されているアルコール依存症の治療薬には、3つのタイプがあります。
 1つ目は抗酒剤と呼ばれるもので「ノックビン(一般名:ジスルフィラム)」と「シアナマイド(一般名:シアナミド)」の2種類があります。どちらもアセトアルデヒド(二日酔いの原因物質)の代謝を阻害する作用があり、抗酒剤を服用中に飲酒すると、吐き気や頭痛、動悸といった不快な反応を引き起こします。 抗酒薬を服用していると、生活の中で飲酒をしたくなった場合にも「飲むと気持ち悪くなるからやめよう」と考え、心理的に断酒を継続しやすくなる効果があると言われています。
 2つ目は「レグテクト(一般名:アカンプロセート)」というお薬で、これは飲酒欲求を抑えること(飲みたくなる気持ちが減る)により、断酒の成功率を高まる効果があると言われています。基本的には、すでに断酒を開始している方の再飲酒の予防のために使用されます。
 3つ目は「セリンクロ(一般名:ナルメフェン)」というお薬で、これは2019年に発売された比較的新しいお薬です。アルコール依存症の治療では「断酒」が基本にはなりますが、すぐには断酒が難しい場合に、まずは飲酒量を減らすことを目標とする場合があります。 セリンクロはそういった場合に飲酒量を減らすことを目的に使用します。飲酒する1-2時間前に服用することで飲酒時の量を減らしやすくなる効果があります。
 いずれのお薬も専門医と相談しながら、他の治療と併用することで効果があるものであり、お薬だけで断酒に成功するというものではありません。
 アルコールに関してご相談がある場合には、まずはお電話でご相談ください。  

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