発達障害と個性の境目は、検査の基準値などで線引き出来るものではありません。「てんねん」「ユニーク」「個性的」「変な子ちゃん」「窓ぎわのとっとちゃん」などと呼ばれながら、それなりに職場に適応できている人は沢山います。
コツコツと計算し記帳する力に弱点のある人が、有名大学卒だからといっても、銀行マンや税理士になったら、つらく苦しく不適応状態になりやすいことでしょう。人と向き合うのが苦手な方が、窓口業務、営業をするのも、労多くして失敗が多いでしょう。このように、自分の欠点を知り長所で勝負することが活きて行き易さにつながります。外科医には不向きでも精神科医には向いている人、臨床医には不向きでも研究者には向いている人・・・特性に合った求職ができれば幸せです。
単に診断を着けに味野医院においでになる必要はなく、自分で特性を知る助けとして、診断基準を参考にされたら良いと思います。少しのことで、「障害ではないか診断してほしい」とインターネットのコピーを持たれて味野医院に受診される方も増えて参りました。診断を付けて「障害者だから仕方ないわ」と開き直ってしまうのは、御本人にとっても雇用主にとっても夫婦にとっても双方が不幸です。自分の特性を知ることが大切です。就職も結婚も、始めてみなければ分からないことが沢山ありますから、ダメだとなりますと物の業務に就く「出直し」も必要ですよね。結婚生活の場合は、「出直し」だけでは難しい事がいっぱいありますでしょうね。