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HOME >>こころの健康相談室 Q & A >>NO.48
小学6年生の長男と小学3年生の次男の2人の息子をもつ父親です。下の息子が今年に入って宿題をなかなかしません。私は次男に、宿題を仕上げたら一緒にキャッチボールをしてあげる約束をしているのです。長男はすぐに仕上げて弟の終わるのをテレビを見ながら待っているのですが、次男は私の隣でチンタラだらだらと机の前に座っていて、私がイライラして宿題を見てやっている空気が分からないのか、慌てる様子がありません。遂に私が大声を出して怒ると「お父さんは僕ばかり怒る。」と言います。最近は嘘もつくようになってきました。先日味野医院に予約電話を入れましたら、2週間先にしか予約がとれませんでしたが、「その間に良く息子さんと自分との関係を観察してみて下さい。」と言われました。明日がその予約日ですが、この2週間が私の宝の2週間になりました。そんなことって有るのですね? こんにちは。お父様、あの初診日は晴れやかなお顔で入室されましたね。まだ診察を1度もさせていただいていないのに「問題解決」状態になっておられましたね。 これをご覧になっている方にお父様の御許可を得て、分かりやすく書いてみます。このお父様は診察予約の待ちの2週間を、素直にわが身を振り返る時間に使われたのでした。お父様が次男を怒っている様子を奥様が内緒で動画に撮られました。その動画の、本当に恐ろしげな顔つきで次男を怒っている自分をご覧になり、ショックを受けるほど驚いたとのことでした。次男に対して憎しみの思いが顔に出ていて、次男が可哀想に思え申し訳なくて泣けて泣けて・・・・とお父様はおっしゃいました。診察室で私も泣けました。ご夫婦でその夜、手を取り合って泣いたとのことでした。この動画撮影事件から次男に対するお父様の態度が変わると、次男は大変素直に甘えてくるようになったとのことでした。お父様とくっついて眠るようになり、どうしようもないほど可愛らしい赤ちゃんのように感じたとのことです。次男の態度も急激に変化し、楽しそうに宿題もさっさと片付けるようになったということでした。この2週間を経て、お父様の1回目の診察日となったのでした。 初診日にお父様は言われました。「次男がこれほどまでに可愛い息子だと感じたことが無かった。私はついつい、言うことをよく聞く長男中心でいた。長男との仲良しの3年間の後、突然生まれて来た次男への接し方がよく分からなかったのかもしれない」と。そして、つい最近ひとつ気になることは、この二男の「おおげさな作り話」だ、とのことでした。 「子供のSOSサイン」に嘘つき・ほら吹き・万引き、というご相談も多いです。簡単に申せば、いずれも「もっと親の関心を得たい表現」だと思います。嘘や万引きについて、叱ることは必要ですが、叱っただけでは全く効果はありません。その後の「叱ったけれど、お前のことはとっても愛している」の表現を徹底的にすることが大切です。 この症例の場合、「自分はお兄ちゃんに負けないくらいお父さんに愛されている」との自信を獲得できるまで、もっともっとお父様の気を引くほら話やそのほかの問題行動は手を変え品を変えて出てくる可能性があると思います。 「子育て」は苦労の連続です。しかしこの苦労が素晴らしい楽しい「親育て」でもあります。そしてこれで作られた親子の信頼関係の絆(きずな)こそが、これから先に子供に待ち受ける数々の「成長の危機」に親子で立ち向かえる基本的な底力とスキル(技能)になるのだと思います。かく言う私も、子供に育てられた“できそこない”の母親でございましたから、自信を持って申し上げられるのです。 |