「日常生活の力」とは「健康管理の力」とあわせて、自活するのに必要な力です。将来必ず親は亡くなるわけで、その後を、(公的援助を受けながらにしても)入院せずに生きて行くのに必要な力です。
・起床時間や入床時間・食事を規則正しくできる。
・入浴・髭剃り・身だしなみなどを清潔に整えられる。
・掃除・洗濯・食事の用意・買い物などの家事をすることができる。
・金銭管理・書類の管理ができる。
・対人関係がもてる。などの力です。
朝起きて次に何かを行う目標や予定の無い人は、たとえ身体が健康な人でも、生活がずるずると乱れて不健康になって参ります。人生の中で、勉強・就労の訓練・経験を積んだ成人であっても、ひとたび発病して就労の習慣が途切れると、生活が乱れ、身だしなみがくずれ、活気が無くなってきます。
ましてや思春期に(精神疾患に限らず身体疾患でも)発症した方は、学校も中退したりで、同級の仲間との関わりも十分には積めておらず、また部活動での先輩・後輩との対人関係の学習も不十分なままにひきこもっています。最後の項目の「対人関係がもてる力」は同年代の人と比べて大きく後れを取った部分です。この遅れは、患者さんを世間の荒波に飛び込ませた時、失敗の原因になるのです。日常生活の能力をある程度は身に着けて後、社会に送り出したいものです。
前述のQ&A.34〜36も関連していますのでご覧ください。〜平成26年度厚生労働省委託事業 「はやわかり就労支援」を参照しています〜