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よくある質問とお答え
ご相談にお答えします 質問の内容については、本人の特定がなされないよう、
性別や年齢、職業などに加工を加えております。
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ご質問
先生が嘱託医をされている県立高校の生徒会保健委員のメンバーで作成した質問です。「僕ら学生が、すべてにおいて消極的になった時にはどうすればよいでしょうか?」
お答えします
何とも難しい質問です。「すべてにおいて」・・・と言うところはどうお答えしたら良いでしょうか。下記に代表的なメンタルヘルスの問題について解説します。

★「うつ状態」の診断は、2週間持続していること、となっていますが、激越な状態の変化がある場合は2週間を待つ必要はない、とされています。皆さんにとって診断基準なんてどうでもよいですが、『気分』が落ちてきた場合は、まず不安感が出てくることが多いようです。起こりそうもないばかばかしいことを考えるようになったり、マイナス思考になり以前の自分とは違うなと感じたら、2週間を待たなくとも、誰かに相談すべきでしょう。
『憂うつ感』もじわじわ来ますが、失恋・叱責・成績不良などの原因がはっきりしているものが考えられても、それが長く続くようである場合は、まず信頼できる方に相談してみてください。人間が普通体験して、普通乗り越えていける出来事でも、過敏な人には苦しいこともありますので、まずは家族や友人が見守り、続くようでしたら味野医院に受診ください。
重症化してくると『根気』『やる気』『ひらめき』の低下や『喜びを感じられなくなる』のように進行してきますと、学業の成績も下がってきます。大人の場合には、一見「認知症」になったかのように、記憶力、判断力、決定力など…低下します。今までやれていたことが出来なくなりますし、ましてや新しい出来事に対する対応力が低下します。是非とも味野医院に受診下さい。

★「統合失調症」の発症があった場合も、ほとんどの能力が低下したように見えます。生き生きとした感覚が低下し、できたことが出来なくなり、できないはずのことができる(ここにいない人の声が聞こえる幻聴や分からないはずの他人の考えが分かる)異常体験や、周囲が共感できないような被害妄想や関係妄想を訴えることがあります。反応が鈍くなると自主的な訴えもなく自室から出て来られないこともあります。当然登校もできなくなるでしょう。周囲の気付きで、受診を勧められて来られることの多い疾患です。

★「適応障害」と言うのは、例えば学校場面では元気なくやる気も起きないのに、家に帰ると、あるいは日曜日になると元気にゲームができる、など、ストレスのある場所や時間に限定される「うつ状態、不安状態、身体症状」から始まってくるようです。日曜日にはバイクを乗り回して、平日には起きて学校にいけない、昔は『怠学』と呼んでいたものが含まれます。会社の環境によって意欲をなくしたり、吐き気や動悸で休みがちになり、そのうち長引いて本格的うつ状態になってしまうこともあります。しっかりと周囲の方と環境調整の話し合いが必要であったり、治療を要すこともあります。

いずれにしても、ひどく気力、体力、知力が落ち込んできた場合で曜日や時間の差がない場合には、生き方の大きな変更の決定(転校、退学など)は先送りし、逆に、逃げ出したいような合わない環境にいる方は調整をしたり、環境から撤退することが大切です。
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