本当に心配されていると思います。親はどんな時でも、子供のその先その先を心配致します。入院された時も泣かれましたが、退院して来られても、よだれが口からあふれている彼の様子に、お母さんは泣かれていましたね。
退院後あまり時間をおかずに就労支援を受ける方向に押して差し上げる場合と、「デイケアあじのんち」を少し挟んで、めったなことには休まないで参加できるようになってから、就労に押し出すパターンがあります。その方の生育の状態や病状の経過、家庭状況にもよると思います。参加したくても、距離的にデイケアに通院できない方もいます。
現在、味野医院デイケアあじのんちのメンバーさんの中でも、特に活動ができるようになった就労準備クラスのグループ「特行やろう・かがやきAチーム」を結成しております。長ったらしいネーミングですが、自分たちで命名しました。「特別行動する構成員」たる自負の表れだと思います。この特行Aチームのコロナ対策のビニールシールドの吊り下げ工作、消毒活動は、スタッフからやらされるのではなくて、自分たちから意見を出し、どうするのが効果的で簡単で継続しやすい消毒ができるか、のチーム会議に発展しました。どういう生活行動パターンに変更することがコロナ感染に対して有効か、みんながテレビの報道にも関心を持つようになりました。専門家のコメントを収集し、自分たちのチーム会議に意見を持ち寄ってくれています。この活動は、いずれ就労の面接、職場での人間関係通り必ずや有効であろうと思います。活動を日頃見ているBチーム(スタッフから見てまだ構成員には無理かなと思われる)のメンバーさんから、元気良くAチームへの参加を表明される方も出てきました。今では消毒は送迎車内から始まり、階段の手すり、壁、テーブル、ビニールシールドと、手際よくなっており、解決すべき問題点も出尽くしてきたようです。またその活動は、周辺の高齢の方にも刺激を与えるようになってきており、お弁当を配ってくれるのを座って待っているだけだった方が、今では消毒活動をスムーズにできるようにと、時間が近づくとテーブルの上を片付け始めたり、立ち上がって謝名にならぬように身をかわしたりの行動ができるようになっています。(病状によっては、気を利かして動くことができない人も若干おられますが)Aチームの方々はそんな方にも優しい対応をされていて私などは教えられることが多いです。
またメンバーさんたちの中にはマスク製作に燃えている方々もいます。マスク不足で近くの介護施設の方がまとめて購入しに来て下さったり、外来の患者さんたちの購入が多すぎて品薄になったりして、材料購入に奔走したりしました。メンバーそれぞれが生き甲斐を見つけられている姿に、スタッフの方が、クラスターを生じさせないデイケア運営をしなければ、と気合をいただいております。そして、このAチームの中から、就労が始まる方も出現しました。卒業生が出ることは、スタッフにとっても、メンバーさんにとっても心寂しくもありますが、卒業生が、時々職場の様子を語りに来てくれる刺激を、一同待っているのです。仕事の休みの日にデイケアあじのんちに戻ってきては、骨休め参加をしに帰ってくる方もいて、彼らの話は、就労に対するピアカウンセリングとして、残ったメンバーさんにも有効であると考えております。