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ご相談内容

Q.103を 拝見して医師でも精神科疾患に見舞われることが分かりました。
精神科疾患を理解していてもその疾患にかからない訳ではないのですね。精神科疾患が身近な疾患と感じられました。

お答えします

お答えします Q.103の患者の医師とは 実は私(回答者)のことなのです(笑)

理解していても、恐らく精神科医でも、なる時には統合失調症にも、うつ病にも、ヒステリーにもかかると思います。

私が 精神科疾患にかかった時の 精神科医(私の夫)の対応は素晴らしかったです。

優しい言葉でいやして、ねぎらってくれながら、仕事への意欲がなくならないよう導いてくれました。 感謝しています。

さて今回は パニック障害症例をご紹介いたします。 

(2004年11月 国際ソロプチミスト児島主催の定例講演(会場 倉敷シーサイドホテル)の講演「心の疾患の症例を見る」から 引用させていただきます)

4例目 どき子さん 42歳

職業;マーケットのレジストレーター、サービスカウンターの受付来院までの症状経過;大変忙しい時間帯に、お客様がまとまって来られた。こんな事はよくある事であったが、その日は少し疲れていたとのこと。手際よく用件を片付けていたけれども、急に胸がキューンとなってきて、ドキドキしてきたかと思うと、酸素が足りない様な呼吸困難を感じ、そのうち、手と足がジンジン痺れてきたとのこと。死の恐怖を感じてうずくまった頃、同僚が救急車を呼んでくれたのでした。
搬送先の病院にて異常無いと言われて、嘘のように症状は消え、恥ずかしいほど元気に帰宅されたのでした。 そんな出来事もすっかり忘れたある日、今度は運転していて、渋滞に巻き込まれたのですが、特別にいらいら感も無かったし疲れてもいなかったのに、急に胸が苦しくなり、冷や汗と呼吸困難感、引き続いて、手足のジンジン痺れ感、そのうち、手の指の強い痙攣と引きつりを起こしてきたとのこと。車を乗り捨てて逃げたい衝動があったが、何とか渋滞の車列が動き出すのを待って、路肩に緊急避難したとのことでした。落ち着いたところで、内科の病院受診したところ、味野医院を紹介されたのでした。

初診時のご様子;「インターネットで自分の症状を調べたら、パニック障害であったけどそれなのですか。」と第一声で言われました。以前のことを色々お尋ねすると、エレベーターに乗ることや満員電車に乗ることは苦手であったが、それを特別避ける生活をされているということは今まで無かったとのことでした。最近不眠ぎみで、朝から疲れやすい感じ、肩こり、やや食欲低下はあるけれど少々痩せたら良いや、と思っているとのことでした。考えてみれば生理前に発作が起きていたかも知れない、とのことでした。

診断;パニック障害(月経前緊張症も引き金になっているのかも)

治療とその後の経過;来院される前にパニック障害について学習されていて 大変自分への考察力の優れた方でした。抗うつ薬、抗不安薬(頓服的に発作時に服用)についてもすぐ理解されました。そしてお薬で症状は良く抑えられていましたが、ある日自分勝手に断薬したところ、発作が再発。今度はご主人と一緒に来院されました。夫が「そんなに調子が良いなら、そんな薬いつまでも飲む必要無かろう。」問われて中断してしまったのだとのことでした。再び薬を始めることとなりました。最初の時よりも効果を得るのにやや増量を要しましたが、次第に減薬が可能となり、現在は夜1回のみの抗うつ薬に減薬できており、頓服も不要になられ、全く再発を見ていません。半年ほどは継続治療を考えているところです。

この症例には後日談がありまして、何年か後に今度は、ご主人が同じ症状に見舞われたのでした。その時には「薬をやめたら、などと、妻になんてひどい事を私は言ったんでしょう。」と仰ったのでした。いくら仲良しのご夫婦でも、相手の苦しみに共感理解するのはなかなかに困難ですね。

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