前回のA.１０９で物欲、性欲、金銭欲などと書きましたが、まだまだあります
よ。肉欲・・・・名誉欲、食欲、睡眠欲、美への探求欲、老化への抵抗欲、知識欲・…
煩悩は昔から１０８個あると言われていますが、昔よりも人類の欲は増しているのかも知れません。宇宙旅行欲やらSNSでお友達をたくさん作りたい欲、ユーチューバーになりたい欲・・・・果てしない欲の中のでも物質欲のコントロール、とても難問だぁ。A.１０９で書けなかったのですが、強迫性障害・自閉症性スペクトラム障害、ADHDなどの方々の中には、目指すところに向かって１００％頑張って、無理なら急に０％になってしまという大きくブレる傾向のある人がいます。まるで風見鶏のように、くるっと１８０度回って途中で止まることがない。どんな人でも程度の差こそあれ、不注意と過集中、鈍感と過敏を併せ持ってブレることがありますが、一般に想像されるブレを超えて大きいのです。
ですからギャンブル障害、アルコールや薬物の適正容量を超えたり間違った使い方をしたりの使用障害、ゲームや買い物嗜癖などの過度に時間やお金を浪費する障害、過食と拒食などを繰り返す摂食障害などを引き起こしやすい特性をもっているようです。
治療法としては、自分の問題をまず「見える化」することです。買った金額、飲んだ量、費やした時間、体重などを記載して自分の前に「見える化」し、認知し行動するバネに変えていくのです。
「強迫クマさん」にも、稼いだお金、使ったお金をノートに付けていただいたことがありましたね。買ったフィギュアの値段、壊したフィギュアの値段…もっと記録しなければならないかも知れませんね。とてもつらい作業です。
私も食べた品物と量、飲んだアルコールの量、体重。少な目に記載してみたりしながらの実行です。そのうち体重だけ記録し、そのうちに測るのも忘れてしまっています。辛いことだからですね。思い切って買ったものについては「いましめノート」と自分で呼んでいる目録を作成しております。記録したものを見ながら、後悔するのではなく、せっかく買ったのだから、と考えて買ったものを楽しむことにしました。こんなに買ってしまった！こんなに食べてしまった！と自分を責めるのではなく、こんないいモノを買った、おいしく食べることができた、と後悔よりプラス思考でやってみています。私なりの認知行動療法ですが、残念ながらなかなか効果は上がっておりません。やはりこれを行うのは自分一人でより、主治医に伴走してもらいながら、励まし褒めてもらいながらやっていくことが継続・効果につながると思います。
味野医院では「手洗い強迫」や「ゲーム・買い物嗜癖」のご相談治療を何例か行っておりますが、これを第一の治療ターゲットとしてお受けしてはおりません。
ADHDや自閉症スペクトラム障害、不安障害の治療をしていく中で上記の障害が問題になってきている方は、乗り掛かった舟？で、そのまま治療を継続させていただいております。薬物乱用などの物質使用障害や様々な嗜癖を主訴とする方は、専門医療機関の門をお叩きください。
４０台分の駐車場完備