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    ご相談内容

    前回(Q.101)ご紹介いただいた 72歳のうつの方への味野医院様の診断・治療の具体例 参考になりました。私の母が最近 妄想に近い 思い込みを するようになり心配しています。参考例など ありましたら ご紹介いただけますでしょうか。

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    老年期妄想性障害につきまして
    前回に引き続き(2004年11月 国際ソロプチミスト児島主催の定例講演(会場 倉敷シーサイドホテル)の講演「心の疾患の症例を見る」から 引用させていただきます)

    老年期妄想性障害の例 筆子さん 85歳(仮名)   職業;元お習字の先生

    来院までの症状経過;実際のところ、大阪で弁護士をされている長男が、暴力団関係者から恐喝されるところとなり、筆子さんの家にも脅しの電話が掛かることが度々あったらしい。そんな出来事も約10年前のことで、筆子さん以外の家族はもう忘れてしまっていた去年のある日、戸締りを何度も確認する筆子さんに気が付いたのでした。昼間も窓の外をうかがいカーテンを閉めたりするようになり、嫁が尋ねると、家にある固定電話から「今から挨拶に行くから覚悟しとけよ。」とか恐ろしい声がするのだと言う。窓の下からも我が家のうわさ話をしている何人かの声がすると言う。筆子さんが地元の警察署にSOSの電話相談を入れてもいないのに、見回りの警察さんが頻繁に巡回してくれているらしく「大丈夫ですよ。」と窓の外から声をかけてくれるとのこと。嫁としては、どこからどこまでが姑の錯覚、幻覚妄想なのか分からず、「ともかく味野医院に相談してみましょう。」と筆子さんを説得しようとしましたが頑固に嫌がるとのこと。そこで今度は大きな総合病院に連れて行ったところ、「痴呆症の初期状態」と診断され、本人はかんかんに怒って二度と受診しなくなってしまいました。掛かりつけのホームドクターに嫁が事の経緯をお話しし、当院を紹介していただき、「先生がおっしゃるなら仕方ないわ。」と本人。味野医院に渋々来られたのでした。

    初診時のご様子;「なんで私が精神科なんかの味野医院に連れて来られなきゃならないのか。」と不満たらたらのご様子。受話器やら窓の外から聞こえてくる沢山の怖い声、警察さんの安堵する声は、なぜ筆子さんだけに聴こえるのかとたずねますと、笑いながら「こんな話は、どつんぼの夫には聞こえないのですよ。この一大事に呑気な夫は気楽なものなのです。」と言い張られます。身だしなみも言葉使いも異常なく、表情豊かに、いかに怖い目に会っているかを、身振り手振りで、声の主の声色までマネしながら訴えられ「先生は先日診てくれた○○病院の医者のように、私を呆けているとはおっしゃらないでしょう。」と迫ってこられる。記銘力の障害も人格の崩れも見られません。私が「長い間恐ろしい思いをされてきたので随分疲れておられるのですよ。」と申し上げるとようやく治療することに納得される。

    診断;老年期妄想性障害

    治療とその後の経過;ご高齢であるので抗精神病薬はごくごく少量から始め、徐々に、怯えた仕草や、恐怖から興奮して訴えることは無くなってきたが、こちらからお尋ねすれば「おかしいことに、受話器を持ち上げてないのに歌声が聞こえるの。」と他人事のようにあっさりと言われる。尋ねなければ、自分からは奇妙なことは口にせず、全く普通のいつものおばあさんに戻っていると、家人は皆 口を揃えておっしゃられるようになりました。

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